善意だけでは続かない。大切にしたい対等な関係
子ども食堂を続けていると、最初は見えなかった課題が少しずつ見えてきます。
その中でも、最近特に考えるようになったことがあります。
それは、
「善意だけでは活動は続かない」
ということです。
もちろん、子ども食堂は善意から始まる活動です。
困っている子どもや家庭の力になりたい。
少しでも地域の役に立ちたい。
そんな思いがなければ始まりません。
ハラクッチーナの場合は、里親を始めたことから地域の子どもたちがどのような状況・状態にあるのかを知らなかった自分たちが恥ずかしいと感じて子どもと関わる機会をつくりたかったのが動機です。
しかし、活動を続けていると、善意だけで成り立つ関係には限界があることも見えてきます。
活動を続けてきたからこそ見えてきたこと
私たちハラクッチーナは、令和4年から子ども食堂の活動を続けています。
毎月定員20名で自分で作って食べる子ども食堂や食材や日用品などの無料配布を行ってきましたが、近年はほぼ毎回定員を大きく超えるお申し込みをいただいており、地域の中に確かな支援ニーズがあることを実感しています。
一方で、その活動の裏側には、事務所代、倉庫代や光熱費、ガソリン代、人件費といった経費だけでなく、申込み管理、アンケート集計、補助金申請、報告書作成、関係機関との調整など、多くの見えない業務があります。
こうした活動の大部分を、私たちは営利目的ではなく、無償で担っています。
活動を始めた頃は、「子どもたちの現状を知りたい、必要とする人に届けたい」という思いだけで走り続けてきました。
しかし、令和4年から活動を続ける中で見えてきたことがあります。
それは、
「善意だけでは活動は続かない」
という現実です。
善意だけで成り立つ関係は、一見するととても美しく見えます。
ですが、その関係が長く続くと、
してあげる側
してもらう側
という構図が生まれやすくなります。
すると、
物をもらうことが当たり前になり依存し始める
無料で提供できる範囲を超えて要求が少しずつ増えていく
負担が特定の人に集中する
不満や疲労が蓄積する
ということが起こります。
これは誰かが悪いという話ではありません。
人は慣れる生き物だからです。
だからこそ、私たちは「善意」だけでなく、
「対等な関係」
を大切にしたいと思っています。
ハラクッチーナが提供しているもの
子ども食堂というと、
「食事を提供する場所」
「食料を配る場所」
というイメージを持たれることが多いかもしれません。
もちろんそれも大切な活動です。
しかし、実際に私たちが提供しているものはそれだけではありません。
地域の居場所
食料支援
親同士がつながる機会
誰かに話せる安心感
困りごとを相談するきっかけ
行政や支援機関につながる入口
子どもたちの体験活動の場
地域の大人と出会う機会
こうして並べてみると、子ども食堂は単なる食料配布の場ではなく、
地域のセーフティネットの一部
として機能していることが分かります。
だからこそ、
「支援してもらう側だから頭を下げる」
という関係ではなく、
「地域のためにそれぞれの役割を担う対等なパートナー」
という関係が自然なのではないかと思うのです。
私たちが望むのは「寄付」ではなく「パートナー」
時々、「寄付をしようか?」と聞かれることがあります。
しかし、私たちが本当に求めているのは、お金そのものではありません。
私たちが求めているのは、
地域の子どもたちを一緒に支えるパートナー
です。
年間5,000円でも、年間10,000円でも
金額の大小は関係なく
> 「私たちもこの活動を一緒に支えています」という意思表示をするパートナーを求めているということです。
行政には行政の役割があります。
社会福祉協議会には社会福祉協議会の役割があります。
民間事業所には民間事業所の役割があります。
企業には企業の役割があります。
そして、私たちハラクッチーナにも役割があります。
どちらが上でも下でもありません。
どちらが偉いわけでもありません。
それぞれが自分の役割を果たしながら、地域の子どもたちのために手を取り合う。
そんな横の関係を築いていきたいのです。
対等な関係
私たちはこれからも営利目的ではなく活動を続けていきます。
それは誰かに頼まれたからでも、評価されたいからでもありません。
地域の中で起きていることを知り、自分たちなりに考え、自分たちが大切にしたい在り方に従って選んできた結果が、里親・子ども食堂・放課後児童クラブ・フリースクール・里親会です。
私たちはいつも、「どうすれば得か」ではなく、
「自分たちはどう在りたいか」
を問いながら歩んできました。
これからも善意だけに頼るのではなく、対等な関係の中で支え合える地域を目指していきたいと思います。
そして、「地域のために何かをしたい」という思いだけではなく、
「自分自身の在り方として地域と関わりたい」
と考える方々と、パートナーとしてつながっていけたら嬉しく思います。

